WORKS導入事例とその効果

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九州旅客鉄道株式会社 様

約2000名が年間2万5千件の稟議申請を行うインフラシステム
「ワークフローEX」で決裁は今や時間単位のスピードへ

 九州地方を中心に鉄道路線を有する旅客鉄道会社である九州旅客鉄道株式会社 本社部門では、従来、稟議申請が紙ベースで行われていた。そのため、最終決裁が下りるまで時間がかかりがちだった。2012年、この状況を憂慮した当時の経営トップは稟議申請業務をシステム化する意思決定を下す。
 主管部門である総務部を中心に複数の候補パッケージ製品を比較検討した結果、同社は株式会社ナルボの「ワークフローEX」を採用した。決め手となったのは、既存のExcel帳票をそのまま活用できること、ワークフローが事前設定で自動化できることだった。
新システムは2013年4月より本番稼働を開始し、現在で約2000名が年間2万5千件の稟議申請書を扱うインフラとして定着。決裁手続きは日にち単位から時間単位へスピードアップし、同社の業務効率向上に大きく貢献している。

2017年4月、九州旅客鉄道株式会社は発足30周年を迎えた。この間、鉄道輸送の最大の使命である安全の確保とサービス向上に努めるとともに、企業活動のデジタル化を推進している。その一方で、旅行業、不動産業、農業などさまざまな事業を基幹事業に発展させるべく、果敢に挑戦してきた。トップメッセージは「安全とサービスを基盤として九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」。同グループは一丸となって、その実現に向けて歩み続けている。

九州旅客鉄道株式会社のロゴ

社名:九州旅客鉄道株式会社
所在地:福岡市博多区博多駅前 3-25-1
資本金:160 億円
設立:1987年4月1日
従業員数:8,859名(2018年4月1日現在)
事業概要:旅客鉄道事業、貨物鉄道事業、海上運送事業、旅行業など
URL:http://www.jrkyushu.co.jp/

 
 
項目 内容
PDF https://www.workflow-ex.jp/wp-content/uploads/2022/07/wfex-case0011.pdf

STORY 1全方位に企業活動のデジタル化を推進しているJR 九州

 九州旅客鉄道株式会社(以下、JR 九州)は、九州新幹線を始め、九州地方を中心に鉄道路線を有する旅客鉄道会社だ。同社はまた、「D&S(デザイン& ストーリー)列車」と呼ばれる観光に特化した列車を多数運行していることでも知られる。観光列車「或る列車」、特急「ゆふいんの森」などがその例で、鉄道マニアのみならず、全国各地からの旅行客、増加の一途をたどっている訪日外国人観光客などからも好評を得ている。
 近年、同社は全方位にわたって企業活動のデジタル化を推進している。旅客向けの取り組みとしては、インターネット列車予約サービス(以下、ネット予約)に力を入れている。また、「JR キューポ」というポイントサービスは、JR九州ICカード「SUGOCA」、JR九州発行のクレジットカード「JQ CARD」、そしてネット予約で付与されるポイントをまとめて登録でき、ためたポイントを乗車券購入やショッピングに使えるサービスだ。
 一方、社内向けの取り組みの代表例として、鉄道事業の各部門へのスマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス導入がある。これは安全性の向上、顧客サービスの向上、異常時の運転再開迅速化、検査効率の向上などを目的にしたもので、在来線や九州新幹線などで導入されている。

 

STORY 2紙ベースだった稟議申請、手続きの遅滞を憂慮した経営トップがシステム化を決断

 同社の本社部門では、日々さまざまな稟議案件が起こされ、上長の承認を得るべくその申請書は社内をめぐっていく。中心的なものに「簡易立案」と「一般立案」があり、前者は課長が最終決裁を行うもので3~4の承認段階がある。後者は社長が決裁を行い、7~8の承認段階が存在する。
 従来、こうした稟議はすべて紙ベースで行われていた。そのため、最終決裁が下りるまで時間がかかりがちで、どこで稟議が止まっているか誰もがわかる状態ではなかった。
 また、こうした稟議書類は最終決裁が完了したあとに再確認するケースがしばしば生じたが、年間1万2千件に上る稟議申請書の山の中から、当該書類を探し出すのは担当者にとって時間のかかる仕事だった。
 さらに、こうした稟議申請書は一意に番号が付されていた。しかし、番号管理は手作業で行われていたためどうしても抜け漏れが生じ、内部監査時の指摘項目となっていた。
 2012年、当時の経営トップがこうした状況を憂い、稟議申請業務をシステム化する決断を下した。

 

STORY 3ワークフロー自動化機能を評価して「ワークフローEX」を採用

 決定を受けて、同社 総務部ではシステムソリューションプロバイダー数社にRequest For Proposal(提案依頼書)を出し、その結果、数種類の製品が候補に上った。JR 九州が掲げた導入要件は大きく5点あった。
 1つめは、迅速に導入できること。市場調査を始めた時点ですでに2012年半ばだったが、すでに次の会計年度である2013年4月からの導入は決定していた。そのため、稟議書フォームやワークフローの設計に長い時間を割くことは避けたかった。
 2つめは、申請者の作業負荷ができるだけ低いこと。申請者は稟議内容の本質に関わる部分にのみ集中し、あとはシステムが補完してただちにワークフローにのせられる、というスタイルを志向した。
 3つめは、複雑な承認ルートをカバーできること。最大4段階ある簡易立案、最大8段階ある一般立案ともに、単純に職階を上るだけでなく、ルートの分岐や他部門との連携など多様なルートが発生し得た。システムはこれに完全対応する必要があった。
 4つめは、レスポンスタイムだった。2ページ分の帳票フォームが4~5秒以内にオンラインで扱え、バッチでは1分あたり平均1,000件処理できることが求められた。
 5つめは、コストパフォーマンスである。最終的に全社展開を視野に入れていたため、システム利用が負担にならないよう、導入およびランニングコストを入念に見積った。
 これらの要件に照らして候補製品を比較検討した結果、最終的に採用されたのは株式会社ナルボの「ワークフローEX」だ。この製品は、Excelで作成した稟議文書をそのままワークフローにのせることができるため、使われていたExcel 帳票を再利用可能だった。
 そして、ワークフロールートはGUIにより事前設定でき、自動化できる。申請者がそのつど承認者を選択する必要はなく、稟議内容さえ入力してボタンを押せば、起票された申請フォームは正しい承認担当者へ送られる。さらにいえば採番も自動で行われるため、人間が介在しなくても稟議申請書は一意に保たれる。導入プロジェクトを担当したJR 九州 システムソリューションズ株式会社 システム運用本部 鈴山勝也氏が高く評価したのも、この自動化機能だった。
「これまでワークフローシステムはたくさんみて来ましたが、たいがい申請者が自分で承認者を選んでルートを設定する前提になっていました。そのつど設定しなくても勝手に飛んでいくというのは初めてで、エンジニアとしてこんなことが可能なのかと驚きながら、これならエンドユーザーの方々が負担を感じることなく使えると確信しました」
 こうして「ワークフローEX」を選んだJR九州およびJR九州 システムソリューションズはただちに導入プロジェクトを発足、計画どおり2013年4月の本番稼働を実現させた。

 

STORY 4扱われる稟議申請は年間2万5千件 完了までの所要時間は時間単位に

 それから約5 年。「ワークフローEX」は同社の中心的なワークフローシステムとして定着している。要件定義時点では、年間1万2千件の稟議案件のうち、その7割 約1万件がシステムにのれば成功と考えられていた。しかし、2017年度には年間約2万5千件もの稟議申請書がこの上でやりとりされている。件数がここまで増えているのは、ワークフローが効率アップしてそれだけの量を扱えるようになったからだ。ワークフローシステムの導入はペーパーレス化という点でも注目されたプロジェクトで、2万5千件という数字はそのままそれだけの紙が節約されたことも意味している。
 ユーザー数も当初は約1,500名と見積もられていた。しかし、現在は約2,000名がワークフローシステムを日々活用している。このシステムは人事データが搭載されているノーツシステムと連携しており、その人事データを元に入力補完を行っている。
 このシステムの主管部門であり、自らもユーザーである九州旅客鉄道株式会社 総務部 総務課 佐保愛子氏は、導入効果について次のように語る。
「決裁手続きは確実にスピードアップしました。決裁完了までのタイムスパンが、従来は日にち単位だったものが時間単位になっています。今朝も1件稟議申請書を提出したのですが、午前中の3時間で最終承認者である上長の決裁をいただくことができました。上長の一人は午後から出張の予定で、紙ベースだったらたぶん来週までいただくことは難しかったと思います。本当にありがたいシステムで、もう紙の時代には戻れないですね」
 また、ワークフローがどこで止まっているかシステム上で確認できるようになり、ピンポイントで依頼を出せるようになったことも決裁手続きの迅速化を後押ししているという。
 さらに、自動採番機能によって稟議申請書の適正管理や資料作成の効率化が実現した。
 導入後、運用管理者としてJR九州側の窓口を務める鈴山氏は「ナルボとは気持ちよく仕事ができる」と語る。
「レスポンスが速く、常に前向き。“できません”“やりません”“わかりません”とは決していわずに、とにかく動いてくれるので助かっています。また若いメンバーが多いのにパフォーマンスにぶれがなく、仕事の進め方がクリエイティブなところも長所ですね」
 「ワークフローEX」で業務改革に大きく貢献したのみならず、求められる技術を提供する組織としてもナルボはJR 九州に認められている。

 

ご対応いただいた方々

システム運用本部 鈴山 勝也氏の写真

JR 九州 システムソリューションズ株式会社

システム運用本部 鈴山 勝也氏

総務部 総務課 佐保 愛子氏の写真

九州旅客鉄道株式会社

総務部 総務課 佐保 愛子氏

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